3G対応のiphone、日本での発売を期待していたが。すくなくても年末までにはでるだろうと。
Appleは現地時間9月18日、米国外で初の「iPhone」の販売契約を発表したが、開始してまもないiPhone戦略において2つめの大きな過ちを犯してしまったかもしれない。
Appleは18日午前、ロンドンで英国の携帯電話事業者であるO2とiPhoneをめぐる提携を発表した。Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏は、リージェント通りのAppleストアに姿を見せ、英国のメディアからの質問に答えた。メディアの関心は、なぜAppleは米国で販売されているのと同一のEDGE方式の携帯電話を英国で販売することに決めたのかという点だった。
Engadgetはブログでこのイベントを実況報告し、Jobs氏はいまだにバッテリの寿命について懸念していると報じている。「3Gチップセットは電力を大きく消費する」と Jobs氏は言い、さらに3Gチップセットでは2008年まで十分なバッテリ寿命を得ることができないと考えていると言い添えた。これは、2007年に米国で発売された最初のiPhoneについて、なぜiPhoneはWi-Fiホットスポット以外ではEDGE携帯ネットワークに依存するのかという質問に対するAppleの回答とまったく同じものである。
しかし、英米の2つの市場は非常に異なる。英国(実質的にはヨーロッパ全体)は、米国に比べて高速な3G携帯ネットワーク技術の普及がはるかに進んでいる。O2のCEOであるMatthew Key氏は18日、iPhoneの発売時点でEDGE対応携帯電話ネットワークは全体の約30%にすぎないが、O2はすでに英国の各地で3Gを配備していると述べた。EDGEという規格は、完全規格の3Gサービスを展開する準備が整っていない一部の携帯電話事業者にとっての足がかり的な規格にすぎず、英国のほとんどの携帯電話事業者は従来の2G GSM/GPRSネットワークに代わって3Gの導入を進めてきた(携帯電話業界に関するこれらの略語の意味を理解する助けが必要ならGSMWorld.comを参照してほしい)。
一方、米国では少し事情が異なり、iPhoneが使用している基本的なGSM規格と互換性がある3G技術は普及が始まったばかりで、ユーザーの関心を維持するためにEDGEも暫定的に使用されてきた。米国におけるiPhoneの携帯電話事業者であるAT&Tは米国の一部の都市でのみ3G サービスを提供しているが、英国の携帯電話事業者はよりシームレスな3G技術の配備を進めている。
したがって、AppleはiPhoneのデザインとインターフェースだけで英国の消費者の心をつかむ必要がある。まさにそのデザインとインターフェースこそが、Jobs氏がMacworldで最初にiPhoneを手にとって高らかにかざした日からこの機器の長所だったのだが、米国の多くの iPhoneのユーザーはこれまで3Gネットワークの速度を体感したことがなかったため、自分たちが今まで何を逃していたのか知る由もなかったのである。一方、スマートフォンに関心を持っているテクノロジに詳しい英国のユーザーのほとんどは、すでに3G対応携帯電話を所有している可能性が高く、したがって彼らに一歩後退してEDGEを使用してくれるようにお願いするのは難しい注文かもしれない。
Jobs氏はバッテリ寿命の高い要求に執着しており、それは最終的には報われるかもしれないが、始めのうちはAppleが英国で成功することを難しくしているのかもしれない。AppleとO2は、The Cloudの英国におけるホットスポットのネットワークに加入者を参加させようとしている。というのは、導入時点でO2はEDGEに関しては限られた地域しかカバーしていないからである。
AppleがiPhoneの値下げをめぐってユーザーの反応を読み誤ったように、英国におけるiPhoneの魅力についても同社が読み誤っているのではないかと疑う必要がある。確かに魅力的な外観を備えているが、通信速度が遅すぎるのではないか。消費者は自分の財布で賛否の票を投じることだろう。
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20356676,00.htm